私も連鎖を恐れていた

よく、虐待やネグレクトを受けた経験がある母親や父親が、

「自分も親と同じように子供を傷つけてしまうんじゃないか」

「自分も加害者側になってしまうんじゃないか」

と不安を抱えているという話を耳にします。

私自身も、その一人でした。

両親が離婚した年齢。

母親が家を出て行った年齢。

自分の子供がその年齢に近づくたびに、

「私も母親と同じことをしてしまうんじゃないか」

「父親のように子供に手を出してしまうんじゃないか」

そんな不安を抱えていたことを覚えています。

過去の出来事は変えられません。

それでも、自分が親になった時に初めて、親から受けた影響の大きさを実感しました。

子供が生まれた時、嬉しさと同時に怖さもありました。

私はちゃんと親になれるのだろうか。

17歳で母親になった当時についての記事はこちら 17歳で妊娠して変わる決意をした話

子供を傷つけてしまわないだろうか。

親と同じ道を歩いてしまわないだろうか。

そんな不安をずっと抱えていました。

以前、しゃばと話していた時に、

「家庭環境は繰り返されるものなのか」

「遺伝子の影響もあるのか」

という話題になったことがあります。

私は、家庭環境が繰り返される原因は遺伝子そのものではなく、

愛情の伝え方や子育ての方法を知らないまま親になること

にあるのではないかと思っています。

このテーマについて考えるきっかけになった出来事についてはこちらの記事に書いています 他人の人生を生きるのをやめた日


遺伝より大きいもの

私の両親は、どちらも三兄弟の末っ子で、自営業の家庭で育ちました。

大人になってから幼少期の話を聞くと、二人とも共通していたことがあります。

それは、

「親の愛情を感じた記憶があまりない」

ということでした。

抱きしめてもらう。

目を見て話を聞いてもらう。

手を繋ぐ。

「大好きだよ」と言ってもらう。

今なら当たり前だと思うような愛情表現を、ほとんど経験してこなかったそうです。

そして、その両親を育てた祖父母世代もまた、似たような環境だったようです。

不思議なことに、祖父たちは孫である私たちには優しかったのですが、両親たち子供世代からすると怖い存在だったと聞いています。

私の両親はシングル家庭で育ったわけではありません。

それでも、幼少期に欲しかった愛情を十分にもらえなかったという点では共通していました。


愛情を知らなかった両親

そんな環境で育った父は、スキンシップをしない人でした。

父との思い出は、優しさよりも厳しさの方が強く残っています。

子供だった私にとって父は怖い存在でした。

一方の母は母性が強く、家を出て行くまでは私にとって理想のお母さんでした。

家族のためによく頑張る人でしたし、愛情もたくさん持っていたと思います。

ただ今振り返ると、母は家庭への憧れがとても強かった人だったのかもしれません。

幸せな家庭を作りたいという思いが強く、理想も高かった。

だからこそ、その理想と現実の差に苦しみ、頑張りすぎてしまったのではないかと思っています。


理想の母親になれなかった私

そんな両親のもとで育った私自身も、愛情表現が得意な人間ではありません。

信頼している相手であっても、ハグひとつするのに勇気がいります。

甘えることも苦手です。

愛情を言葉にすることも、今でも少し照れくさい。

子供を出産してからも、それは変わりませんでした。

本当は、

・学校から帰ってきた子供に手作りのおやつを用意する母親

・たくさん抱きしめる母親

・「大好きだよ」と伝えられる母親

そんな母親になりたかった。

でも現実の私は違いました。

子育てがしんどい日もある。

一人になりたい日もある。

イライラしてしまう日もある。

理想の母親像との違いに苦しみながら、

「母親に向いていないんじゃないか」

「私は子供をちゃんと愛せていないんじゃないか」

「結局、自分も親と同じことを繰り返してしまうんじゃないか」

そんなことを何度も考えました。


娘が教えてくれた答え

現在12歳になった娘は、私とは真反対の性格に育っています。

社交的で明るく、学校での友人関係も良好です。

家では親の顔色をうかがうことなく、自分の意見をしっかり伝えてきます。

納得できないことがあれば反論もしてきますし、自分の考えも持っています。

時々生意気だなと思うこともありますが、それも健全な成長なのだと思います。

そして12歳にして将来の目標を持ち、自分なりに先のことを考えながら行動しています。

もちろん、これから思春期を迎えれば悩みもあるでしょう。

失敗もするでしょう。

親子でぶつかることもあると思います。

私自身も間違えることがあると思います。

それでも、今の娘を見ていると

「この子は大丈夫」

そう思えるのです。

親の顔色をうかがいながら生きてきた私とは違い、自分の意見を持ち、自分の人生を歩こうとしている娘の姿を見ていると、

少なくとも私は、親と全く同じ子育てをしているわけではないのだと気付かされます。

それが、娘が教えてくれた答えでした。


連鎖は止められる

私は理想の母親にはなれませんでした。

愛情表現も上手ではありません。

完璧な親でもありません。

それでも娘は、

友達と笑い、

夢を語り、

自分の人生を歩こうとしています。

だから私は思います。

家庭環境は必ずしも繰り返されるものではない。

連鎖は、どこかで止めることができる。

完璧な親になる必要はない。

毎日笑顔でいる必要もない。

手作りのおやつを作れなくてもいい。

愛情表現が少し不器用でもいい。

大切なのは、子供を一人の人間として尊重すること。

そして何があっても最後は信じてあげること。

私自身、まだ子育ての途中です。

だからこれは成功談ではありません。

今も悩みながら、迷いながら、子供と一緒に成長している途中です。

それでも、もし過去の家庭環境に苦しみながら子育てをしている人がいるなら伝えたい。

あなたが不安になるのは、子供を大切に思っているからです。

あなたが悩むのは、同じ思いをさせたくないと思っているからです。

だから大丈夫。

過去は消えなくても、未来は変えられる。

私自身もまだその途中です。

それでも私は、家庭環境の連鎖は止められると信じています。

 

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グル子

このサイトのメインライター。失敗談から日常のことまで、思いついたことを気ままに書いています。ゆるく更新しているので、気軽にのぞいてもらえたらうれしいです。